三次元に、恋をした。
無意識だったとはいえ、見られていたなんて。

母性本能を見られた気がして居た堪れない気持ちになり、彼から少し顔を背けた。

「やっぱり、そうなの?」

「ち、違いますっ…… あれは、その…… 」

なんで、こんなにしつこく聞かれているのだろうか。

まるで私が悪い事でもしたかのように問いただされている訳であって。

腑に落ちないのは私の方なんですけど。

すると、店内の奥の方から黄色い声が響いた。

「歳三さ〜ん?」
「あれ? トイレって言ってたよね?」
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