三次元に、恋をした。
「私はさっき、頭撫でてもらったも〜ん」

彼女達の声は私と、目の前の彼の耳にもしっかりと聞こえている。

「………自分のことは棚に上げて。モテる男は大変ですね?」

「俺のことはどうでもいい。 それより早く答えて」

焦っているのか、苛立ちをも感じる成瀬さんは初めて見たかもしれない。

それにしても自分勝手すぎない?

自分は可愛い女の子に頭撫でたり…… キ、キスしたり。

それなのに何で私は怒られているみたいな状況なのよ。
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