信じることはとても愚かで美しい。



下っ端になるって言ってから。


技、教えてくれって周りにみんなが殺到した。


いやぁ…私一応、ケガ人ですよ?


そう思いつつも、キラキラして見つめてくるのを見たら、何故か憎めなくて。


雑談してみると、案外楽しくて。


夜10時。


「菜緒。お前、明日ガッコは?」


蓮に言われて初めて空に星が輝いていることに気づいた。


「あーーーーーー!」


忘れてた…。


しかも、今日無断欠席しちゃったしなぁ。


無断欠席したら反省文書かされるんだよなぁ。


思わず憂鬱な気分になる。


「バイクだしてやっから乗ってけ。」


蓮の言葉に甘えることにした。


麗に抱き着かれて。


氷河と竜にバイバイって言って。


下っ端たちにもまたって言って。


蓮のバイクにまたがる。


…カツラつけてね。




< 59 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop