信じることはとても愚かで美しい。
もう一度、握りしめている紙をそっと開く。
字体からして女子…?
でも、一体誰だ…?
顎に手を添えてうーん…とうなる。
みんな、暴走族とかっぽくないしなぁ。
しかも、あの噂は暴走族に関係のある人しか知らないはず。
うーん、うーん…っとうなっていると。
キーンコーンカーンコーン
「やっば、予鈴!」
急いで紙をポケットにしまい、廊下をおしとやかに…
してる暇がないので全力疾走する。
…足が痛いのには気づかない気づかない!
教室の少し手前でペースを落とし、息を整える。
ガラッとドアを開けると、
「あ、菜緒!おはよう」
莉乃が手を振りながら言った。
「おはよう。」
ニッコリ、張り付けた笑顔で返す。
まだ先生、来てないみたいだ。
「菜緒、さっきしんどそうだったけど…大丈夫?」
茉奈に心配そうに聞かれた。
「ホントやで、大丈夫なん?」
「うん。大丈夫。心配かけてごめんね?」
うん、大丈夫ーと返してくれてホッとする。