信じることはとても愚かで美しい。
マンションから出て、曲がり角を曲がったとき。
「ヒッ…」
なんか黒い影が…。
変な声出たし…。
とりあえず、そこを通らなければ倉庫に行けないので。
胸の前で構えながらじりじりと黒い影に近づく。
「うぉぉぉー!」
目をつぶって気合を入れながら蹴りを入れる。
ガシッと足を掴まれたので、反対の足で回し蹴りする。
振り返ってその正体を見ると…。
「え、蓮!?」
「…ってぇなぁ…。」
黒い影は頭を押さえている蓮だった。
「おい、いきなりなんなんだよ!!」
あ、ごめんと平謝りをして。
「てか、なんで蓮がいんの?」
と尋ねる。
「麗に「女の子にこんな時間に一人でこさせちゃダメじゃん!」って言われたんだよ!…いらなかったな、馬鹿力ってこと、忘れてたよ。」
ハッと小馬鹿にしたような声を聞いてイラついたので。
ゴンッ
「っ……」
とりあえず、殴っておいた。