信じることはとても愚かで美しい。
「しっかり掴まれよっ!」
という声が聞こえた瞬間、バイクは煙を出して進んだ。
「ちょ、ちょちょちょ、早すぎるー!」
なんだよ、この速さは!
昨日と比べものにならないし。
しかも蓮、ぎゅって抱き着いたら多分事故るから掴まれないし。
ジェットコースター、安全バー無しで乗ってるようなもんなんだけど。
「死ぬってー!」
と叫びながら、涙目で向かい風に耐える。
その時、蓮が不意にこっちを振り返って。
ニヤリ…っと笑った。
こいつっ…殴った仕返しか!
だったらこっちだって!
ゴンッと思いっきり頭を小突いたら。
蓮が半泣きになってこっちを振り返った…。