それはちょっと
よっぽど効いたのか、彼はそれ以上口に出そうとしなかった。

もうあきらめたのかも知れない。

「――私が本当に欲しいものがあったら、部長はそれを本当にプレゼントしてくれるのかしら…?」

彼女だからとか恋人だからと言う理由で、部長は私に誕生日プレゼントを送ってくれようとしているのだ。

欲しいものはないし、あったとしても自分で買うから別にどうでもいいんだけど。

そもそも、本当にプレゼントしてくれるのかどうかもわからない。

ある意味では私のことをおもしろがって、そんなバカなことを言っているのかも。

これ以上考えてもバカバカしいだけなので、何より気が変になりそうなので、部長のことを思うのはもう終わりにした。

部長が絶対にプレゼントしてくれるとは、限らないんだから。

誕生日当日をあっと言う間に迎えた。
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