それはちょっと
11月3日は私の誕生日である以前に祝日でもある。

「今日から26歳か…」

カレンダーを目の前にした私は呟いた。

四捨五入をしたら30歳、いわゆる“アラサー”と呼ばれる世代に私も突入した。

大学進学を機に1人暮らしをしているので、誕生日を祝ってくれる人はいない。

もしかしたら、今夜辺りに両親から誕生日おめでとうのメッセージがくるかも知れないけど。

誕生日とは言え、やることは普段とは特に変わりはない。

溜まっていた洗濯物を片づけて、掃除をして、テレビを見たりミステリー小説を読んだりと、やることは普段の休日と特に変わらない。

近くのコンビニで買った弁当で夕飯を済ませると、時計は8時を過ぎたところだった。
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