【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
◆
◇
◆
「あれ、お祖父ちゃん、どこに行ってたの?」
今までの幸せを取り返すかのように、澪たちと遊ぶ桜は楽しそうに笑っていた。
「ちょっとな」
「へー、あれ、その箱は?」
「頼まれ事をした箱だよ。大したものだが、大したものじゃない」
「ふふっ、お祖父ちゃん、自分でいっていることに矛盾が出来てる」
みんなで、笑い合う。
瞬も、薫も、美桜も、幼馴染みたちも集まる部屋で、みんなと笑い合う。
桜が夢を見ていた光景が、今日、実現したのに……させてあげるために、千夏たちの仇を討つために、動いていたはずなのに……心が、晴れない。
隣に、沙耶が一人でいると思うと落ち着かない。
孤独になれていたとしても、寂しいものは寂しいはずだ。
彼女に甘えがあったのなら、良かったのに。
そう思っていると、最後の人間、相馬と千歳と甲斐が、部屋に入ってきて。
相馬に至っては、眠そうである。
そして、それを確認すると、桜に断りをいれ、恋人の千歳ではなく、相馬に駆け寄る柚香。
開口一番、言う言葉は。
「沙耶の情報は!?」である。
ずっと、ずっと、みんな、探してる。
想っている。
助けてあげたい、そばにいたいと。
でも、沙耶のプライドが、それを許さない。
だから、俺も口を挟まないつもりだったんだ。
……この時までは。
◇
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「あれ、お祖父ちゃん、どこに行ってたの?」
今までの幸せを取り返すかのように、澪たちと遊ぶ桜は楽しそうに笑っていた。
「ちょっとな」
「へー、あれ、その箱は?」
「頼まれ事をした箱だよ。大したものだが、大したものじゃない」
「ふふっ、お祖父ちゃん、自分でいっていることに矛盾が出来てる」
みんなで、笑い合う。
瞬も、薫も、美桜も、幼馴染みたちも集まる部屋で、みんなと笑い合う。
桜が夢を見ていた光景が、今日、実現したのに……させてあげるために、千夏たちの仇を討つために、動いていたはずなのに……心が、晴れない。
隣に、沙耶が一人でいると思うと落ち着かない。
孤独になれていたとしても、寂しいものは寂しいはずだ。
彼女に甘えがあったのなら、良かったのに。
そう思っていると、最後の人間、相馬と千歳と甲斐が、部屋に入ってきて。
相馬に至っては、眠そうである。
そして、それを確認すると、桜に断りをいれ、恋人の千歳ではなく、相馬に駆け寄る柚香。
開口一番、言う言葉は。
「沙耶の情報は!?」である。
ずっと、ずっと、みんな、探してる。
想っている。
助けてあげたい、そばにいたいと。
でも、沙耶のプライドが、それを許さない。
だから、俺も口を挟まないつもりだったんだ。
……この時までは。