【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
(女子だけじゃなく……男子も?)
女子に殺人的視線を向けられるのは昔からだが、男子は初めて……ではない。小学校以来である。
「なんなのよ……」
まさか、国内ほぼトップである御園グループの表総帥であった、相馬に運ばれたってことによる、興味的な視線なのか。
「はあ……」
鬱陶しい生活が戻ってきた、これなら、入院生活の方がまだマシだったかもしれないと思ったとき、学年主任が声をかけてきた。
「黒橋、体調はもう大丈夫なのか?」
「大丈夫ですー、元気いっぱい!」
「体調が悪くなったら、すぐに保健室に行くんだぞ?」
「はーい!」
元気であると見せるために、私は偽った。
先生はそんな偽った私に気づくこともなく、元気そうだな、だからと言って、廊下は走るなよ、と笑った。