【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


(女子だけじゃなく……男子も?)


女子に殺人的視線を向けられるのは昔からだが、男子は初めて……ではない。小学校以来である。


「なんなのよ……」


まさか、国内ほぼトップである御園グループの表総帥であった、相馬に運ばれたってことによる、興味的な視線なのか。


「はあ……」


鬱陶しい生活が戻ってきた、これなら、入院生活の方がまだマシだったかもしれないと思ったとき、学年主任が声をかけてきた。


「黒橋、体調はもう大丈夫なのか?」


「大丈夫ですー、元気いっぱい!」


「体調が悪くなったら、すぐに保健室に行くんだぞ?」


「はーい!」


元気であると見せるために、私は偽った。


先生はそんな偽った私に気づくこともなく、元気そうだな、だからと言って、廊下は走るなよ、と笑った。



< 48 / 759 >

この作品をシェア

pagetop