【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
時は経ち、とうとう、高校に入学するための試験が近づいてきた。
相模は花嫁をつれ、千歳と一緒に帰るらしい。
私の行けない、人間界へ。
『……千歳』
千歳は優しい。
優しくて、優しくて、私の相手をしてくれた。
両親のいなくなって、孤独を感じる、私の傍にいてくれて……。
『貴方は、とても強いじゃない。あっちでも、大丈夫。いつでも、帰ってきていいんだし……それより、私の心配をしてよ。千歳がいなくなったら、私が暇になるじゃない』
いつだって、一緒にいたのに。
面白い話を聞かせてくれたのは、いつだって、千歳。
すると、千歳は驚いた顔して。
『お前は来ないのか……?』
と、言った。
いきなり、何を言う。
『行かないよ、行けるわけないじゃん』
あくまで、人間の学校である。
人間のために、人間によって作られた、人間の学校に、妖怪の私が通えるわけ……