【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
■相馬side□




身体が震える、ただ、怖くて。


俺は細すぎる、力を入れたら折れそうな身体を抱き締め、息をついた。


まずは、落ち着かなければならない。



「……院長が大丈夫と言ったんだから、大丈夫じゃない?」


何回かの深呼吸を繰り返していると、そんな声がそばで聞こえた。


直樹さんも、父さんも出ていったはずなのに。


「相馬、落ち着きなさい」


心地好く、聞きなれた声が、俺を満たす。


「……っ、あんたが継いでくれるのなら、こんな大変な思いはしなくていいんだが」


肩に優しく置かれた手を横目に眺め、俺がそう吐き出すと。


「あー、耳が痛い、痛い」


扉側の背後から、奴こと御園総一郎……俺の兄が現れた。


「……こんなところで何やっているのですか、兄さん」


「……久しぶりに会うと、やっぱり固いな……もっと、緩く行こうや?」


アメリカにいたはずでは?


「生憎、そんなことをしている時間はありませんので」


沙耶のことで、頭は一杯。

余計な情報は入れたくないのに。


「……本当、スケコマシが」


「はぁ、兄さんにも伝わってるのかよ……」


この兄は、人に喧嘩を売るのが大得意な人だから。


そして、滅茶滅茶に強いから、負けることを知らない。

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