【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
『いや、でも、私……』
この場には、相模はいなかった。
花嫁を迎えに行っているのだろうか。
そんな彼は、当たり前にこれからはお嫁さんと一緒に暮らす。
それをずっと、見とけと?
(……無理)
私には、無理だ。
好きな人と、その奥さんが幸せそうなのをずっと見続けるなんて、無理。
だから、この話は断ろうと思った。
人間界には行ってみたいし、残念だったけど……
『……行かないんですか?あっちの世界』
好きな人の声が聞こえて、顔をあげると、相模は微笑みながら、永久さんの横に立っていた。
『う、うん……私には、人間の中に交じるなんて、とても……』
『大丈夫ですよ。私がいけたのですから』
『そ、う……でも……』
『……言葉を変えましょうか』
必死に、決して賢くない頭で、言い訳を考える。
けど、それよりも早く、私の前に相模は跪いた。