【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
仇だと思い、憎んできたが、相馬のお陰で違うと知ることができた。
それだけで、この人とはこれから先、付き合っていけそうな気がしなくてもないが……
「ねぇ、相馬、アメリカって?」
尋ねると、スマホで時間を確認した相馬が笑った。
「もう、そろそろ……」
――ガチャリ
その時、背後から、鍵の開く音がして。
「――うわっ、ほんまに開いたわ。もう、30年くらいたつのに、変わってないんやな……」
振り返ると、父がいた。
「父さん!?」
「お、沙耶。久しいな」
「久しいな、じゃないよ!なんで、ここに……」
すると、父さんは無言で相馬を指差す。
「ちょっとした、ご命令でな?」
ご機嫌な父は笑ったまま、扉の外に顔を出す。
「ユイラ、おいでや」
母さんまでいるのね……。
相変わらず、離れない夫婦だと思いながら、こめかみを押さえていると。