【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……頭、良いんだな」
「一応。飛び級できるレベルですよ?」
ふらついた体は相馬によって支えられ、私が口を開こうとすると、顎を持ち上げられた。
そのまま、キスを落とされ、恥ずかしさから、私は逃げようとしたけれど、彼は逃がしてはくれなくて。
「おや、まぁ……」
すんごく、親父くさい雰囲気で私たちの一部始終を見ていた秀は、ニンマリと笑った。
「…………由宇(ゆう)、いい加減にしろ」
「おや、もう、バレました?」
小学生とは思えない言葉。
力の向けた身体を支えるため、相馬にしがみついたまま、彼を見れば。
「夏翠の前世、紅鈴の配偶者であった、飛鷹の前世、燎飛の世話係をしていた男だ。お茶目で、瑛醒ととても気の合った、月城の生まれ変わりでもあった。月城は……月姫の兄だ」
「兄!?月姫兄の生まれ変わりが、秀!?」
「正確に言えば、月姫の兄の生まれ変わりの生まれ変わりだ」
「そうです、そうです。流石ですねぇ~守護聖さま」
パチパチと拍手をする秀は、
「……と、いうことは、何故、僕が沙耶と出逢うことになったかも……お気づきで?」
相馬を見て、妖しげに笑う。