【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……恐らく、暁良さんのことについて調べに来たんだろ?千羽は妖怪一家だから、パソコンを使った攻めよりも、観察の方が勝機の高い。そしたら、そこで見た面子が見知ったやつらで、何故、暁良さんが自分の家を訪ね、兄をつれていったかを知った……と、いうところか?」
「洞察力が半端ないですね」
「何年生きていたと思ってんだ」
守護聖として生きていた時間の長さが、彼をここまで頭がよい人間にした?
そう考えると、守護聖の生まれ変わりの全員が頭が良い理由がわかる気がして。
「俺らは前世の記憶があるぶん、知識が入りやすい。俺らにとって『当たり前』は、この世界じゃ、『異常、怪物』らしいがな」
「そうなんですよね~僕も、大人達に色々と言われます。子供らしさで、『僕、そんなのわかんない』って、誤魔化してますけど。因みに、“守護聖”として貴方が生きたのは、おおよそ、うーん……五千年ぐらいでしょうか……」
子供らしさで回避?
子供の演技はうまそうだが……
「国の始まりから、終わり……僕、終わりの頃は存在すらしていないから、大体、それぐらいでしょうよ」
「……お前、全然、子供らしくねぇな」
言ってるし。
思いっきり、言ってるし。
「えぇー?頑張っているんですよ?これでも。この間は、ちょっと、変なものを発明しちゃって……兄に押し付けました!」
「兄?」
「あ。僕、もう一人兄がいるんです!」
頑張っていて、子供の演技がそれか?
小二というのは、もう少し……と、いうか、押し付けたって……
「周嶺(れい)って、知ってます?」
「ごめん、テレビとか見ないから……」
正直、そっち系は疎い。