【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「そりゃ、さぞかし、Sクラスのトップはできた人なんだろうね……」
30とかが普通にいる私の世界と、本気でかけ離れてしまっている。
(……そりゃあ、難関校のはずだよ!)
テレビで見たことを思いだし、項垂れる。
すると、再び、澪の声が降ってきた。
「……千歳が、70くらいだったんだよ?」
「え?まさか、偏差値が?」
「そうそう。で、千歳は順位とかに拘らないからね、いつもほぼ、同じ順位なんだけど」
約250人中、4位って!
それで成績にこだわらないとか、ある意味、本気で勉強して、順位を勝ち取っている人に謝れって感じである。
「面白いのは、高等部三年。3位さんが、大臣の息子さんなんだけど……」
「……うん?」
「その高等部三年のね、Sクラスのね、1と2は揺らぐことがないの。どれだけ、3番さんが勉強しても、揺らぐことがない。本気で」
「……それだけ、天才ってこと?」
なんか、3番がかわいそうである。
「……偏差値、2番が73か、75。1番が……聞いて、驚かないでね?78から80くらい。もっと、高いかもって言われてる」
「……目を見開くレベルの天才さんか……私は精々、68だなぁ……」
何だろう。
この感覚。
もう、本気でレベルが違いすぎる。
「なんだ、沙耶も十分にすげえじゃん」
光輝さん、んなこと言われたって、偏差値80(以上)の人間の存在を聞いたあとは、自分の存在がちっぽけに感じます。(いや、マジで)
「……ん?つか、さ、この国で1番高い偏差値の学校より高くない!?」
この国で受からない学校はないと言うのか……
Sクラスの1番さんは……。
「そうだね。……ってかね、3番が自信を無くすんだよね。勉強漬けの3番君は、家業で大忙しの二人に負けてるから」