【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……マジですか」
「マジでーす!」
なんか、結んではいけない人と契約を結んだ気分です。
「相馬、頭良いんだよ~確か、七か国語、話せるとか」
「……はい?」
「あれ、八だったかな……」
ああ、もう、話の内容からして、おかしい。
「御園の跡取りなんだ、それくらいないとダメだろ。因みに、この間の取引がチェコだったんで、チェコ語もマスターした。その後も、色々あったから……今は、十ヵ国語ぐらいじゃね?」
……千歳、本気でもう、やめて。
当たり前のように、友人として付き合っていた相馬をまっすぐ見られなくなってしまう。
「……まぁ、相馬は私たちから見ても、異常だし……ねぇ?」
「大体、18で家のことを背負う時点でおかしいんだよ」
「夏翠もだけどね」
次元の違う会話をする彼らを見ながら、私はため息をついた。
「そっちの学校に行かなくて、本当に良かった」
「本当。聞いているだけで、プレッシャーが……」
柚香も同意してくれ、やっぱり、一般人の反応としてはこれが普通なんだと、安堵する。
「やっぱ、勉強はした方がいいよね?」
嫌でも伝わるくらいの、勉強したくないオーラに私は思わず、苦笑い。
「大丈夫でしょ。この学校は、蒼繚華よりは下だから。赤点になることはまず、ないんじゃない?」
「マジ?やったー、勉強だけはしたくないんだよね」
「そもそも、したい人間っているわけ?」
「いやーどうだろーね」
自分と光輝は意外と似ているのかもしれない。
そんなことを思い始めたとき、
「黒橋!」
教室に入ってきた、学年主任に呼ばれた。