偽装新婚~イジワル御曹司の偏愛からは逃げられない~
私の所属元である花園クリエイティブの本社は花園商社本社ビルの隣駅にある。
どでかい自社ビルの花園商事と違い、こちらは駅前の小さなビルのワンフロアを借りているだけだ。最新のセキュリティシステムなんてもちろんあるはずもなく、警備のおじさんに声をかければすんなり入れてもらえる。
「おつかれさまです〜」
「おっ、白川ちゃんか。おつかれさん!」
「あら、久しぶりね〜」
私が扉を開けて顔を出すと、みんなが一斉に挨拶を返してくれた。社長以下、役員たちも同じ部屋で仕事をしていて、なんともアットホームな職場なのだ。
(実はこっちの方が落ち着くのよね)
私はなんだかほっとしたような気分で、空いているデスクに座った。
すると、向かいの席の小林さん(古株のパートさん)がすぐに話しかけてくる。
「あら、白川ちゃん。今日はこっちなの?」
「お疲れ様です、小林さん。はい、月間報告と資料整理のお手伝いに」
「資料整理なんて、大した量でもないのにね~。白川ちゃん、人がいいから課長にいいように使われてんのよ」
小林さんは私の上司である山田課長を横目でちらりとにらんだ。
課長は新聞を片手に、うとうとと船をこいでいる。
「暇なんだから、自分でやりゃいいのに」
小林さんのもっともな発言に、私は苦笑して答える。
「でも、たまにこっちに来るのもいい気分転換になるんですよ」
どでかい自社ビルの花園商事と違い、こちらは駅前の小さなビルのワンフロアを借りているだけだ。最新のセキュリティシステムなんてもちろんあるはずもなく、警備のおじさんに声をかければすんなり入れてもらえる。
「おつかれさまです〜」
「おっ、白川ちゃんか。おつかれさん!」
「あら、久しぶりね〜」
私が扉を開けて顔を出すと、みんなが一斉に挨拶を返してくれた。社長以下、役員たちも同じ部屋で仕事をしていて、なんともアットホームな職場なのだ。
(実はこっちの方が落ち着くのよね)
私はなんだかほっとしたような気分で、空いているデスクに座った。
すると、向かいの席の小林さん(古株のパートさん)がすぐに話しかけてくる。
「あら、白川ちゃん。今日はこっちなの?」
「お疲れ様です、小林さん。はい、月間報告と資料整理のお手伝いに」
「資料整理なんて、大した量でもないのにね~。白川ちゃん、人がいいから課長にいいように使われてんのよ」
小林さんは私の上司である山田課長を横目でちらりとにらんだ。
課長は新聞を片手に、うとうとと船をこいでいる。
「暇なんだから、自分でやりゃいいのに」
小林さんのもっともな発言に、私は苦笑して答える。
「でも、たまにこっちに来るのもいい気分転換になるんですよ」