恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。


「それで、昨日話した進路希望調査票の持ち主のことなんですけど……」


「進路希望調査票?」


唐突に話を展開させたせいか、雅臣先輩は不思議そうに答える。


「私の部活の加入届を持っている人のことです」


急だったかなと思いつつ、私は補足した。


「あぁ、それで加入届は返ってきたのか?」


雅臣先輩は昨日の話を覚えていてくれたのか、納得したように頷く。


あ、そういえば加入届……。
私、在田先輩から受け取ってないな。


「すみません雅臣先輩。私、在田先輩が教室まで届けに来てくれたのに、加入届受け取るの忘れてました」


そんなことを今さら思い出すなんて、私ってバカだ。

でもあの時は加入届けを受け取ることなんて、とてもじゃないけど考えられなかった。


「というか、その時に在田先輩と少し揉めてしまって、それどころじゃなかったといいますか……」

「揉めた?」

「はい……」


加入届のことはとにかく置いておいて、ここからが本題だ。

在田先輩のこと、どうすればいいのか相談してみよう。

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