恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「在田に言いたいことがあるんじゃないのか、清奈」
「あ……」
私のしたいこと、難しく考える前にする。
さっき、雅臣先輩が言ってくれた言葉だった。
気まずいけれど、どう思われてもいいから彼に向き合わなければ、私は傷つけたことを一生後悔する。
「大丈夫だ、そばにいる」
「っ……はい!」
そうだ、大丈夫。
私には、私がどんな人間でも、受け入れてくれる雅臣先輩がいるのだから。
そう思ったら底なしの勇気が湧いてきて、私は先ほどから言葉を発さずに立ち尽くしている在田先輩の真正面に立つ。
「在田先輩……その、さっきはすみませんでした!」
どんな言葉をかければ彼の心に届くのか、難しく考えてもわからなくて、私は深く頭を下げて素直に謝ることにした。
しばらくその体勢のままでいると、いっこうに相手からの返事はない。
不安になってもう一度頭を上げると、在田先輩は驚いた顔をしていた。