恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「あっ……ごめんなさい」
物部さんは恥ずかしそうに俯くと、両手で握りしめたスマホの画面へ視線を落とす。
そういえば物部さんってよくスマホいじってるよね……何を見てるんだろう。
気になるけれど、仲良しというわけでもないのに突然聞いたりしたら失礼か。
そう思った私は、本へ視線を戻したのだった。
昼休み、購買から教室に戻る途中のことだった。
ふと、部室でお昼ご飯を食べていた雅臣先輩のことを思い出す。
今日も部室にいるのかな、朝の事も聞きたいし……。
雅臣先輩のことを考えると、私の足は自然と部室の方へと向く。
そして、廊下の突き当りにある階段前まで来た時だった。