イジワル部長と仮りそめ恋人契約
「ゆっ、悠悟さ」
「うるさいな。多少痛くしても、あんまり泣きわめくなよ。萎えるから」
冷ややかに言いながら、フレアスカートに侵入した大きな手がストッキング越しに太ももを撫でた。
ビクンと思わず身体がはねる。次にその手は器用にブラウスのボタンを外し、下着ごと胸もとが晒された。
「ぅあ、」
ドキドキうるさい心臓の真上あたりに口づけられると、ため息にも似た喘ぎ声が漏れる。
悠悟さんはシーツに広がる私の髪をまとめて右側に流すと、あらわになった首筋に舌を這わせた。
熱い吐息と、やわらかな感触。濡れた水音が聴覚を刺激して、ますます身体が熱くなる。
再度スカートの中に入ってきた手が、下着ごとストッキングを脱がすべく履き口をなぞった。
なぞって、そのまま、乱暴に下ろそうとして……ピタリと、その手の動きが止まる。
固く目を閉じて羞恥に堪えていた私は、彼の様子の変化に思わずまぶたを押し開けた。
「なんで……」
「え」
「なんで、抵抗しないんだよ。なんで『嫌だ』って、泣き叫ばないんだ……っ」
絞り出すように話す悠悟さんは、どうしてか自分の方が痛々しい表情をしている。
今にも泣き出しそうなその顔のまま、彼は続けた。
「こんなふうに無理やり襲われて、こわかっただろ? 幻滅しただろ? 嫌いになっただろ?」
ベッドに縫いつけられていた両手首が自由になる。
その指先が、そっと壊れものを扱うかのように私の頬に触れた。
「もう、俺のことなんて忘れろよ……っ」
どうして、そんな悲しいことを言うのだろう。
どうしてそんなに、切ない表情で。
私自身が嫌われているのなら、拒絶されても仕方ないと思っていた。
なのにこんなにも熱く見つめられたら、ほのかな期待が胸の奥に灯ってしまう。
……私はまだ、諦めなくてもいい?
今度はこちらから、手を伸ばす。
その頬に指先が触れた瞬間彼が小さく震えたけれど、振り払われることはなかった。
戸惑った顔が、まるで迷子の子どもみたいだ。揺れるメガネ越しの瞳をまっすぐに見つめ、私は微笑む。
「うるさいな。多少痛くしても、あんまり泣きわめくなよ。萎えるから」
冷ややかに言いながら、フレアスカートに侵入した大きな手がストッキング越しに太ももを撫でた。
ビクンと思わず身体がはねる。次にその手は器用にブラウスのボタンを外し、下着ごと胸もとが晒された。
「ぅあ、」
ドキドキうるさい心臓の真上あたりに口づけられると、ため息にも似た喘ぎ声が漏れる。
悠悟さんはシーツに広がる私の髪をまとめて右側に流すと、あらわになった首筋に舌を這わせた。
熱い吐息と、やわらかな感触。濡れた水音が聴覚を刺激して、ますます身体が熱くなる。
再度スカートの中に入ってきた手が、下着ごとストッキングを脱がすべく履き口をなぞった。
なぞって、そのまま、乱暴に下ろそうとして……ピタリと、その手の動きが止まる。
固く目を閉じて羞恥に堪えていた私は、彼の様子の変化に思わずまぶたを押し開けた。
「なんで……」
「え」
「なんで、抵抗しないんだよ。なんで『嫌だ』って、泣き叫ばないんだ……っ」
絞り出すように話す悠悟さんは、どうしてか自分の方が痛々しい表情をしている。
今にも泣き出しそうなその顔のまま、彼は続けた。
「こんなふうに無理やり襲われて、こわかっただろ? 幻滅しただろ? 嫌いになっただろ?」
ベッドに縫いつけられていた両手首が自由になる。
その指先が、そっと壊れものを扱うかのように私の頬に触れた。
「もう、俺のことなんて忘れろよ……っ」
どうして、そんな悲しいことを言うのだろう。
どうしてそんなに、切ない表情で。
私自身が嫌われているのなら、拒絶されても仕方ないと思っていた。
なのにこんなにも熱く見つめられたら、ほのかな期待が胸の奥に灯ってしまう。
……私はまだ、諦めなくてもいい?
今度はこちらから、手を伸ばす。
その頬に指先が触れた瞬間彼が小さく震えたけれど、振り払われることはなかった。
戸惑った顔が、まるで迷子の子どもみたいだ。揺れるメガネ越しの瞳をまっすぐに見つめ、私は微笑む。