糖度高めな秘密の密会はいかが?
状況を飲み込めていない日下部さんだったが、買いに行く途中に綾美が説明してくれるだろう。

「心あたりはあるの?」

傷つけられたボードにある使えそうな造花を剥がしながら、佐藤さんは聞いた。

「…多分、日下部さんのファンか副社長のファンだと思います。秘密で副社長と付き合ってるんですけど…忘年会の時にバレてしまって…。副社長になる前から付き合っていたんですけど…。それか、私の事が大嫌いな人でしょうね」

もしくは、その全部がひとつになったのかもしれないけれど・・・。

日下部さんとの同期の関係、副社長としての有澄との関係、ブライダル参入に関しての仕事での関係・・・様々な事情が混ざり合い、妬みが発生したのだと思う。

もっと単純に言えば、私の事が大嫌いだから、全てが気に入らなくて向けられた憎悪。

「まぁ、副社長と。副社長って…どこかで見た事あるなぁって思ってたら、いろはカフェに居なかった?友達とお茶した時に可愛いらしい男の子が居たから印象深かったんだけど…」

「そうです。カフェに居る時に知り合って付き合う事になったので、副社長になる人だって知らなかったんです。私も4月に知ったばかりなんです」

「そうだったのね。私は日下部君とゆかりちゃんがくっついたら良いなってずっと思ってたの。お互いの信頼関係ってとても大事な事だから…。日下部君も恋愛に関しては不器用なのかな?」

職場では日下部さんは絶対的な支配者でガミガミうるさいけれど、フォローは必ずしてくれるし、褒める時はとことん褒め言葉を浴びせる。

上司からの信頼も厚くて・・・仕事も効率良くこなし成功率も高い。
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