糖度高めな秘密の密会はいかが?
眉間にシワを寄せて、私の事を蔑んだ様に睨みつけた。

「さっき言ったでしょ!彼氏だし上司なんだから、迷惑かけたっていいって!

今まで築き上げてきた地位を簡単に捨てちゃうの?ゆかりのデザインへの気持ちって、そんなもんだったんだ?
辞めたら、下らない感情で嫌がらせした奴らの思うつぼだよ!」

有澄は感情的になり私から目線を外して、こっちを向いてもくれない。

「…だって、どっちにしても辞めなきゃいけなくなるもん…」

私にはもう一つ、気になっている事があって、有澄にも言えないままで日にちだけが過ぎていた事がある。

「……ゆかりには失望した」

「副社長、今のは言い過ぎですよ!」

小さく呟いた有澄の言葉が重くのしかかり、一度止まった涙腺がまた溢れ出す。

ポタポタとスカートの上にこぼれ落ちる涙は、ハンカチを取り出して頬を拭いても止まらない。

化粧も落ちて酷い顔をしているんだろうな、とは思うけれど、自分ではコントロール出来ずにいた。

「秋葉さん、この件は私に一任して下さい。今日中には片付けますから。
そして、副社長、貴方の言葉で女性が泣いてるのに何にもフォロー出来ないんですね?感情的になったら負けだと、貴方が一番知っているでしょう?副社長が感情的になっても解決しないんですよ。大人しくしていて下さい。

では失礼致します」

相良さんのお説教?により、大きな溜息をつく有澄だけれど、相変わらず私の方は見てはくれない。

有澄は冷めてしまった紅茶を飲みながら、だんまり。

言わなきゃ、辞める事になるかもしれない"もう一つの理由"───・・・・・・

「有澄…ごめんなさい。怒ってるかもしれないけど、聞いて?」
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