糖度高めな秘密の密会はいかが?
*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚

逃げないと覚悟は決めたんだから、後は一歩踏み出すのみ。

「ゆかり、おかえりっ!」

恐る恐る企画開発部を覗くと綾美が出迎えてくれて、抱きつかれる。

私が戻って来たと分かった女子社員は、デスクを離れて集まって来る。

「副社長、カッコイイのよね。普段会えないけど、目の保養になったわ」
「ドラマとかマンガみたいにさ、ゆかりちゃんを連れ去って素敵だった。私もされてみたい!」
「ゆかりちゃんって男っ気ないから、心配だったの。でも、あんなに素敵な彼がいたなんて!羨ましい!」

女子社員が私を囲んで、円陣を組むかの様に和気あいあいと話しかけてくる。

「ゆかりちゃんは可愛い後輩だし、遠慮なく頼ってくれていいのよ。逆に頼ってくれないと寂しいから…」

「ありがとうございますっ」

佐藤さんの声もデスクから聞こえて、お礼を言う。

あんな事があった上に、有澄に抱きかかえられて連れ去られたから、彼女と戦う意欲よりも職場に戻る方が何倍も勇気が必要だった。

エレベーターが降下している間も、降りて歩いている時もドキドキし過ぎて鼓動が早かった。

皆が出迎えてくれたおかげで緊張感が嘘の様にほぐれる。

仕事に穴を空けた事を責める訳ではなく、怪文書と副社長の事を根掘り葉掘り聞く訳でもなく・・・ただ、暖かく出迎えてくれた。

企画開発部は仕事もチームワークが必須だし、いつも皆が仲睦まじくしている職場だと思う。

副社長の話題により、「はーい、ここにも男居ますけど…」と呟く男性社員達2人に日下部さんがフォローらしき事をしたつもりだったが、逆に追い打ちになってしまったらしく凹んでしまった。
< 155 / 216 >

この作品をシェア

pagetop