糖度高めな秘密の密会はいかが?
「来週の土曜日にゆかりの実家にお邪魔するでしょ…。本当はその後に婚約指輪を渡すつもりだったんだけど、ゆかりがどこかに消えちゃいそうで怖かったから、自分の誕生日になんか渡しちゃって…何かカッコ悪い…」

婚約指輪は有澄が用意してくれていて、マンションのキッチンの収納扉の中に隠して置いておいたみたい。

来週の土曜日に私の実家に挨拶に行った帰りにマンションに行き、どんな家具を置くかとか考えた後にさりげなく指輪を渡すつもりだった、と言っていた。

マンションに対して私が乗り気じゃなかったから、焦った有澄は指輪をポケットに忍ばせて、左手の薬指につけてくれた。

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「指輪、綺麗…」

有澄のアパートに帰ると約束通り、一緒にお風呂に入って、半乾きの髪のまま、ベッドに入った。

左手を天井にかざし、指輪を眺める。

緩やかなカーブラインに小さなダイヤモンドが5連で輝くデザインで、仕事をするにも邪魔にならずにさり気なくつけて行けるデザイン。

薄明かりの部屋の中でも、キラキラ光る。

「…そうだっ、予約って言われたけど、ちゃんとプロポーズされてない!」

「ゆかりがどうしたいか決まったら、俺に伝えて。そしたら、プロポーズさせて」

有澄が考えていたプロポーズの流れを完全に台無しにしたのは私だ。

ごめんなさい。

有澄は色々と考えてくれていたのに、私が煮え切らないせいで台無しになった。

「有澄の事、大好きよ。御曹司なのに気取らないところとか…結構ロマンチストなところとか、カッコイイから目立つのに他の女の子にも目もくれないで…私なんかを好きになってくれた事とか、御曹司なのにバイトして留年しちゃうところとか…。

自分だって辛いのに人に優しくしたり、たまに小悪魔っぽいところも大好きよ」

「…大半がけなされてる感じがするのは気のせい?」
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