糖度高めな秘密の密会はいかが?
「…ちょっと待って…!有澄、もう1時だよ、明日仕事だから寝なきゃ…」

とろけるようなキスをされて、頭がぼんやりしている中、ふと時計が目に入った。

夜中の1時だから、完全に寝不足になりそう。

「大丈夫だよ。ゆかりは有給にしといたし、俺は午後から出社にしといた…」

「えー!?何で勝手に!?職権乱用じゃん」

「そうだね。ゆかりと居たかったし、たまにはいいんじゃない?」

有澄って真面目なのか、本当は不真面目なのか分からなくなる時がある。

花野井家が破天荒過ぎると有澄は言っていたけれど、有澄も満更ではないのでは?

副社長の権限で私の有給使ってしまったら、誰も何も言えないと思う。

公私混同、職権乱用。

「有澄、指輪がないよ。落ちてない?外れたのかな…外した記憶がないよ」

有澄との甘い時間の後に左手の薬指から指輪がない事に気がついた。

外した記憶はないのに、指輪がない。

冷蔵庫の前でペットボトルの水を飲んでいる有澄に問いかける。

「…やっぱり、預かった。予約ねって言ったけど、ゆかりの気持ちも考えないで焦りすぎたかなって思って」

「………どうしたら返して貰える?」

気怠い身体を起こし、Tシャツを着てから有澄の側に行って、有澄のTシャツの裾を引っ張りながら聞く。

指輪がなくなり、婚約解消されたみたいで急激に寂しさが襲ってくる。

「さっきも言ったけど、ゆかりとは結婚したいから、ゆかりの答えが出たら教えて。プロポーズするにも指輪がなきゃカッコつかないでしょ?だから、没収」

「……酷い。気付かない内に外すなんて!」
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