俺がずっと守るから
「兄様っ、お帰りなさい!」
それから13時を回った頃、司様が戻って来られた。
司様を慕ってる彩葉は嬉しそうに駆け寄る。
そんな嬉しそうな顔を見たのはいつぶりだろう。
ましてや、俺に向けられたことなんてもうとっくの昔のようだ。
「ただいま彩葉。お、椎名もいるな、久しぶり」
「お帰りなさいませ、司様。お久しぶりです」
「ははっ、堅苦しいなぁ」
ケラケラと笑うその姿は彩葉とよく似てる。やっぱり兄妹だ。
「あれ、兄様。麗美さんは?」
「あぁ、あいつは実家に帰ったよ」
「えぇ〜」
会いたかったなぁ、とぼやく彩葉。
五十嵐麗美 (イガラシ レミ) 様。
明日の結婚パーティーのもう1人の主役である、司様の恋人兼婚約者。
この皆月グループ程ではないが、かなりな権力を持った五十嵐グループのご令嬢で
政略結婚、だ。