俺がずっと守るから
まさか、ステージ挨拶中の父様と兄様の警護…?
一つの仮説が浮かんだけど、それはあり得ないと首を横に振った。
だって、うちには李樹以外にもボディーガードはいる。
それに李樹は、私専属で配属されたボディーガードだ。
……だったら、なんで。
そんなことを考えていたら、とうとう当主の発表へと移った。
「さて、それではお待たせいたしました。新たな皆月のトップを皆様にご紹介させていただきます」
ワ…ッ、と会場に拍手が巻き起こる。
それと同時に、ステージ袖から兄様と李樹が登壇した。
「…り、き…?」
その光景が信じられなくて、思わず口に出てしまう。
「しっかり見ていて、彩葉ちゃん」
何かを知っているのか、麗美さんは私にそう言った。