俺がずっと守るから
「新しい皆月の当主。息子の、司です」
父様の紹介に、兄様がマイクを取る。
「ただいまご紹介に上がりました、皆月司と申します。えぇ、この度は────…」
兄様が挨拶をする中も、私はその場に立つ李樹の姿から目が離せなかった。
いつものイメージとはまるで違う、しっかりした皆月の新当主の兄様の姿は本当にカッコよくて、この人の妹である自分が凄いことのように思えてくる。
けど、それでも。
やっぱり一番目に入るのは大好きで仕方ない、李樹の方だった。
「───…さて、先程から気になっていると方もいらっしゃると思いますが。この場をお借りして皆様に1人紹介したい者がおります」
「……!」
兄様の挨拶が、李樹の話題へと移った。
紹介…?
ますますわけが分からなくて、何故か私までが緊張してしまう。