俺がずっと守るから
彼女を溺愛する過保護な彼氏。
そんな肩書きで塗り固められた彼のイメージも、家に帰ればすぐに消えることになる。
「「お帰りなさいませ、彩葉お嬢様」」
家に着いて門をくぐれば、現れるのは数人のメイドと執事たち。
まだ玄関にも着いていないというのに、私の大して重くもない荷物を持って部屋へと運んでくれる。
あまりこの言い方は好きではないけれど、彼らはいわゆる"使用人"、というやつだ。
そしてそれは────
「椎名」
「はい、───彩葉お嬢様」
───彼氏である李樹も、例外ではない。