最後の恋 【番外編: 礼央目線】
金曜日、昼休み


俺は早めに昼食を済ますと早速、図書室へと向かった。


心なしか、図書室へ向かう足取りが軽く気持ちが高揚していた。


と同時に、あれから一度も校内で会うことがなかったあの女子生徒とあれ以来初めて顔を合わす事にほんの僅かな不安を感じている自分もいた。


俺を見て嫌な反応をされたら……


そんな心配が頭をよぎる。


ドアを開ける前に、気持ちを落ち着かせるように大きく深呼吸をして、静かにドアを開いた。


後ろ手にドアを閉め、右手に見えるカウンターに視線を向けるとそこには先週と同じようにバレー部の男子が座っていた。


昼休みの図書当番はクラスの図書委員二人で行うらしい。


交代でお昼を取りながらやっているのだろう。
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