最後の恋 【番外編: 礼央目線】
「もっと早く分かれば良かったんだけど、急に決まって。友達との先約があったみたいなのに…ゴメンな。」

「ううん、杏奈もそのへんは理解してくれてるから大丈夫だよ。」

「…そっか。ならいいけど、明日にでも謝っといて…俺からも。」

「…うん。伝えとくね。それより、久しぶりのスイーツブッフェ超楽しみなんだけど。」


テンション高く、喜ぶ紫乃の様子を見て少しだけ安心した。


クラスが違うから学校での様子もあまり分からないけど、松野さんと話している時の紫乃もいつもの紫乃だった。


玄関を出て校門に向かって歩く途中、隣を歩く紫乃が不意に後ろを振り返った。


「あ、杏奈だ。」


小さく呟くような紫乃の声が聞こえた。


そして俺の隣で手を振る彼女。


俺も自然に足を止め、紫乃の視線の先を辿るようにゆっくりと振り返った。
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