最後の恋 【番外編: 礼央目線】
「何この汚部屋…。」


部屋に入った紫乃の第一声。


「いきなり来るお前らが悪い……」


面倒臭そうにそう答えると、


「礼央の姿もだらしない。女にでも振られたの?」


何も知らないはずの紫乃の口から、核心に触れる言葉が吐き出された。


「…………は?」

「ビンゴね。だとしてもお正月なんだし、部屋と身なりはちゃんとしなさい。いい大人なんだから。」


お母さんみたいなセリフを言うと、勝手に部屋を片付けだした。


「ほら、あんた達も手伝う。」


立ち尽くす俺と真斗にもそう言うと、真斗も「…はい」なんて賢く返事して片付け始めたから、俺もやらないわけにはいかなかった。
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