小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「ねぇ、本当に大和、うちらと行動すんの?」
「え、ここまで付き合っといて断んの?」
あー、また始まったよ、痴話喧嘩。
なんかふたりが付き合ったら楽しそうだよね。
悠陽ちゃんと大和くんの姿を見て、ふとそう思った。
「んー、じゃあクレープ奢ってくれたらいいよ」
「はぁー?なんでだよ」
「じゃ、おひとりでどうぞ?」
「んな……玲央どこにもいねーんだからさ。わかったよ、あとで奢る」
「本当?大和、太っ腹〜」
見事悠陽ちゃんは言い倒したようで、大満足。
私の分も奢ってくれるみたいで、悪い気もしたけれど大和がお礼だというから、ありがたく奢ってもらうことにした。
それから、もちろん焼きそばだけじゃ満足しない私たちは、美味しそうなお店を見つけては巡り、食べ物という食べ物を食べて回った。
大和くんは「まだ食べるのか」と呆れ始めていたけれど。
「おー、大和じゃん!」
「あ、久しぶり!」
どうやら、大和くんが中学だった時の友達が来ていたらしく、「ちょっと抜ける」と友達のところへかけていった。
「あーぁ、まだ大和にクレープ奢ってもらってないのに」
さっさと行ってしまった大和くんに、ガクリと肩を落とす悠陽ちゃん。
「友達と話してるだけだし、あとで戻ってくるよ」
私がそうフォローすると、それもそうかと、戻ってきたら請求しようと意気込んでいた。