小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「ねぇ、俺らと一緒にまわらない?」



この高校の生徒以外も自由に出入りができるということは、こういう変な人も来るようで。



私たちは、ちょっと変な人たちに捕まってしまった。



「なに、うざいんだけど」



「ゆ、悠陽ちゃん……!」



さ、さすが悠陽ちゃん。



言う時はズバッと……。



すぐに諦めてどこかに行くかなとも思ったけれど、それはとても安易すぎた。



「……ひっ」



こういう人たちは、とにかく引かない。



その仲間のひとりが、私の方に腕をまわしてくる。



その腕で思い出したのは、結城くんの暖かい腕の中。



私が図書室に閉じ込められた時に抱きしめてくれたあの暖かい温もり。



この人には、そんなものは微塵もない。



ただ……



気持ち悪い。



「やめてってば。本当、しつこい!」



隣の悠陽ちゃんも腕をがっしりと掴まれてしまったようで、逃げようにも逃げられずにいた。



私に至っては、もう声も出ない。



だ、誰か……。


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