小悪魔なキミに恋しちゃいました。


そして、今に至る。



「本当にバカなんだね、キミ」



「……うるさいっ」



成宮が空き教室を用意してくれたようで、参考書と教科書を広げて勉強を始める。



それから早1時間。



須藤さんの手元の問題はまだ白紙。



少しからかって見ると、頬を膨らませて怒っていた。



「そんなに私はバカじゃないです」



「じゃあ、なんで始めてから1問も解けてないの?」



「そ、それは……」



待てど待てど、一向に進まない。



これじゃあ、日が暮れてしまう。



須藤さんは嫌でも自分の力で解こうとしてるのか、僕に聞いてこようとしない。



そこで、一つまた仕掛けてみることにした。



「キミがお願いしてくれたら教えてあげる」



そう言うと、驚いたかと思えば、黙り込んでいる。



なにか考えているようで、自分のプライドとでも葛藤しているんだろうか。



「ふーん、ならいいんだ。このままならキミは卒業までずっと成宮の雑用係だね」



なかなか返事が返ってこないことに痺れを切らした僕は、立ち上がって帰ろうとした。



声をかけてくれるのではないかという期待が半分と、何も無かったら帰ってしまおうという気持ちが半分。



でもきっと、須藤さんなら……


< 92 / 252 >

この作品をシェア

pagetop