全ての記憶を《写真》に込めて
その後もふざけ合いながらも作業を進める。私はクラスの様子を記録するために写真も撮る。もちろん、自分のカメラでも撮るし、先生から預かったカメラでも撮る。

「みんないい顔してるよ」
「また写真撮ってたの?」
「うん、思い出だよ」
「いいのあったら私にも見せてね!」
「うん!」

よし、私も作業に入ろうかな。

そう思った時、後ろの女の子が盛大に転んだ。看板を塗っていたペンキに滑って。

「えっ、あっ」

_______________ドサッ。




「彩月さんごめんね!本当にごめんね!」
「大丈夫だよ、こっちこそうまく下敷きになれなくてごめんね」
「えっ、全然いいよ!それより、彩月さん、制服が…」
指を刺されてから気づく。

「うわぁ、オレンジだ」

どうやらペンキの上に転がったみたいです。

「貴美先生いないし、保健室は使えないよね………」
「と、とりあえず服のペンキを早く落とさないと……っ!」
転んだ女の子が慌てて雑巾を持ってくる。
しかし、その雑巾が湿っていて。


_______________ベチャッ。


「あわわわわわ、ごめんなさいぃぃ!」
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