全ての記憶を《写真》に込めて

「ねぇ、茉莉ちゃん」
「ん、どうした…っちょ、ふふはっ!あははっ!」
「そんなに笑わないでよぉ……これ大きい…」
晴くんから貸してもらった服はダボダボで。
「で、でもまっ、ふふっ、濡れてるよりは、いっ、良いんじゃない……あはははっ!」
「身長差が理不尽だよ……」
そんなに離れてないのに。多分。

「……ふぅ、笑った笑った よし、教室戻ろっか」
「絶対笑われちゃうよね」
「うん」


_______________ガララッ。


「み、御国さん……っ」
「は、晴…っ、さ、流石にあれは…………くくっ」
「サイズが、サイズがおか、おかしい」


恥ずかしい。
そして、余った袖に顔を埋める。
すると、何故か安心する。
きっと晴くんの匂いが近いからだろうか。
「なぁに匂いかいでんのぉ」
「あ、晴くん!晴くんの服っていい匂いだね!」
「当たり前でしょ〜」
元モデル舐めないでよねぇ、と何故か自慢げに言われる。

それから、数分からかわれたけど作業に入り、体育祭の準備を進めていった。
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