全ての記憶を《写真》に込めて

やっぱり周りの人からの視線が集まる。
それで晴くんがモデル時代どれだけ輝いていたかが分かる。
そんな中二人で歩くのは恥ずかしいし、何かありそうで怖いけど晴くんとの約束は守らないといけない。

「晴くん今日はありがとね」
「あんたが風邪ひいたらだれが体育祭の写真撮るか考えてよねぇ」
絶対そういう仕事は俺に回ってくるんだからさ、と呟いた。
「あ、この服洗って返すね」
「別にそのまま返してくれてもいいけど」
「ううん、ちゃんと洗濯するから!」
「…まぁ、そういうことならよろしくねぇ」



「あ、あの!」

_______________凛桜くん、だよね?


綺麗なスカイブルーの瞳を持った可愛らしい女の人が立っていた。
その横には不機嫌そうな琥珀色の瞳の男の人。

「あ、瀬凛じゃん」

ん?
「晴くんの知り合い?」
「元同僚」
「モデルの?」
「まぁね」
「うわぁっ、だからこんなに綺麗なんだね!」
はじめまして、と挨拶すると愛想よく返してくれた。

「ねぇ、立ち話は大変だしどこが寄らない?」
「別に俺はいいけどさぁ、こいつ送っていかないといけな、」
「あ、晴くん行ってもいいよ!せっかく会えたんだし」
すると、大きなため息をつかれる。
「なんのために送ってると思ってんのぉ」
「あぅっ、ご、ごめんね」
デコピンされる。今回は結構痛い。

「もちろん、彼女さんも一緒にいいよ」



えっと……。




「彼女じゃないですよ?」
「付き合ってないけどぉ」



「えっ、」


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