全ての記憶を《写真》に込めて
目が覚めると、貴美先生の顔が見えた。
「あ、先生…」
「起きたわね、二時間四十分くらいよ 貴方の意識がなかったの」
「はぁ……、最近調子良かったのになぁ ご迷惑おかけしました」
「それなら和久井くん達に言ってあげてね」
_______________あの子達、ずっと待っててくれてるんだから。
「え、」
「彩月!生きてるよね!生きてるよね!」
「え、ま茉莉ちゃん どうしたの?」
突然茉莉ちゃんに抱きしめられる。
「はぁ、彩月ちゃん寝不足だったの? 言ってくれたら良かったのに〜」
「あんた朝俺が声かけた時からもう無理してたんじゃないのぉ?」
「ご、ごめんね!……っひゃにひゃって!?」
「お仕置きだよぉ、これくらい安いもんだよねぇ」
お仕置きって……。
晴くんに頬を伸ばされる。
「晴くん、私の分も上乗せしといて!」
「りょ〜かい」
「はにゃひへ!」
伸ばす力が少し強くなる。だけど、痛くないのは晴くんが手加減してくれているのだろう。
「はぁ、これくらいでいいでしょ」
「私のほっぺが伸びた…」
垂れ下がってきたらどうしよう…。
「はい、じゃあ話してよねぇ 倒れた原因♪︎」
笑っているが笑っていない。
きっと怒っているのだろう。