全ての記憶を《写真》に込めて

貴美先生は集まりがあるからと、出ていった。
「え、えっとね………」
ど、どうしよう。何から話せば………。
「知らない人からの服、捨てたって言ったよね?」
「うん 言ってたねぇ」
「その人から写真が届いたの お出かけ行って帰ってきたら、部屋の中にあったの」
あの時の状況を話す。


すると、一瞬の沈黙もつかの間、晴くんが立ち上がった。


「馬鹿なのっ!? 俺が何のために紙を渡したと思ってるの!?連絡してって言ったでしょ!ていうか、なんですぐ言わなかったの!」

「ご、ごめんなさい!」
「こらこら、和久井くん落ち着いてって」
「そうだぞ、彩月ちゃんも反省してるみたいだしさ」
「はぁ……、まぁ連絡先伝えておかなかったのも悪いかもしれないからこれくらいにしとくけどさぁ」
すぐ言ってよねぇ、と大きなため息をもう一つつく。

「ごめんなさい……」
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