愛されたいのはお互い様で…。
「電話した時は、どこに居たの?」
…。
はい、グレー。場所を即答出来ないなんて、シロの人だったら無いから。
「…外の中、だな」
「外の中?…また、そんな…解り辛い」
そんな言い方すると、どこかの建物の部屋だって、私、勝手に思い込んじゃうからね…。
「場所は特定したく無いんだ。一緒に居たのは昨夜一緒だった後輩だ。それから、匂いが違うのは帰って来る前に簡単にシャワーを使ったからそのボディーソープの匂いだと思う。こんな説明では説明になって無いだろうけど。今は紫が求める一から十までを話す事は出来ない。だけど俺は、紫が思っているような事はしていない。それは無い。はっきり言っておく」
「私が思っているような事って何?」
「は?それは男女の関係の事だろ?疑ってるんだろ?」
「男女の関係て何?」
「はぁあ?男女の関係って言ったら…俺が紫といつもしてる事だ」
「いつも何してましたっけ?」
「はぁ…、なあ、もういいだろ?」
「いいよ?」
「はぁあ?」
「疲れた?」
「あぁ、どっと疲れた」
「このボディーソープ、違う匂いに変えた方がいいんじゃない?」
「そうだろ?俺もこの匂いは前から好きじゃなくて、流れでうっかり使ってから思い出して…」
…。
「お昼ご飯は、お疲れ様って感じで食べたんだよね?」
「あぁ、ん…まあな」
ん〜ん。核心は全く解らないけど、そこは、今は言えない理由があるんだから仕方ないか…。だけど、身体関係はシロだって言ってる、言い張ってるからシロなんだ…多分。
「やっぱり、圧倒的に会話が足りないんだよね。私、務の事、ずっと信じていたいから、もっと務の事教えて欲しい。解ってくれてるだろうから説明は要らないって務が判断するのも無し。私みたいに妄想してしまう人間は、ちゃんと聞かなきゃ解らないから」
「…なぁ、さっき、避けただろ…、俺の口にサンドイッチ押し付けて」
言ってる事、聞いてくれてたのかな…聞きながらキスできなかった事を考えていたのか…。
「あれはね、あの段階では、務の事、黒かも知れないって思ってたから…。誰かとさっきまでずっと一緒で、その人と…夜通しエッチしてたかも知れないと思ったら…キスされるの嫌だって思ったの…」
普通そうなるでしょ?でも、それも自分に都合のいい偏った考え方か…。エッチはしてなくても、私は伊住さんとキスをしたばっかり…。
「あ、説明不足な部分があったから言える範囲で足しておく」
「何の?」
「彼女とは夜通し一緒じゃなかったから。昨夜は昨夜でご飯。今日は今日で、改めて、朝、会ったから。そこは絶対誤解の無いように」
「それ、誤解が解けるようには取り辛いかも…」
なんで、そういう会い方をしてるのか、仕事関係なら、尚更言えない事じゃないと思う。
「何も無くても、夜通し居たとか、それって嫌だろ?」
本当はずっと一緒だったの?それを言うと嫌って思わせてしまうから、夜通しは無しにしたの?…夜通し居なくても、…その都度デキますけど?…本当に夜通し居た訳じゃ無いんでしょ?
「そうだけど。例えば、それが滅多に無いトラブルのせいだとか?正当な仕事の理由があっての事なら、嫌も何も無いから。仕方ない事だから。そうでしょ?そういう夜通しになる事だってあるから。…今後、悪知恵は働かさないでよね…」
「ん?」
「仕事だって嘘言って、帰って来ないとかは無しって事…」
でも、私は一緒に生活してる訳じゃ無いし、いつ帰ってなくても実際は解らないよ…。
「どうしようかな〜。悪知恵、今授けて貰ったし」
今はそんな言い方したら良くないって、思わないかな…。
「…好きにすればいいと思う」
「解った」
「…もう、馬鹿」
「しない。する訳無いだろ」