愛されたいのはお互い様で…。

ピンポン。

…。

ピンポン。

…まさか、そんな事は有り得ない。来たりしない。話すことはもうないんだから。

ピンポン。

…帰ってよ。

ピンポン。

…もう、帰って。今、話したって何も埒が明かない。ずっと水掛け論にしかならない、そうでしょ?…かっとなって、言いたいだけ言った、それは確かだけど。謝りに来てくれた訳じゃないでしょ?同じ話を繰り返しても無駄よ。

ピンポン。

………も゙う。

カチャ。

「帰って!!今日は無理!…あ」

「…夜分すみません。…これは…思いもよらぬ格好のお出迎え…」

?…………あ、…うわっ。

「キャ…ごめんなさい」

身体を抱いてしゃがみ込んだ。

「ちょっと失礼しますね」

羽織っていた薄手のカーディガンをさっと脱ぎ、包んでくれると背を向けて立った。

「大丈夫ですよ。大丈夫。…大丈夫ですか?その…お取り込みの最中とか…でしたでしょうか?」

見てないのに、しゃがんだまま首を振った。

「そんな時に出たりしません。ち、違います…これは…言ってみれば、ただの寝起きみたいなものです…あの…」

「そうでしたか、私はまた…不粋な事をしてしまったのかと…」

「違いますから。これには訳があって。…違う。とにかく、うっかりしました、あの、少し待って頂けますか?取り敢えず、服を着て来ます。あ、これ、お借りします」

脱兎の如く部屋に戻った。

「はい、どうぞ…あ、もう、聞いてないようですね…」


ベッドの下に脱ぎ散らかしたままの服を纏めた。ワンピースを被った。色々穿いて着ていては時間がかかるからだ。

「お、お待たせして…すみません。あ、忘れた。ちょっと待ってください」

カーディガンを取りに戻った。はぁ、そそっかしい。返さなくっちゃ…。

「…もう、待てませんよ」

…え?

後ろから抱きしめられていた。
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