MOON WOLF
「はい、おしまい!」

地獄の時間の終わりを告げられ、ヒリヒリと痛む足を見た。

「うわあ…」

私の足は見るのも痛々しいくらい、綺麗にぐぐると包帯が巻かれていた。

「あの…ありがとうございました!」

私は無理やり連れてこられたとはいえ、見ず知らずの私を手当してくれた皆さんにお礼を言った。

「どーいたしましてっ。もう大丈夫?」

と、爽やかさん。

「足、早く治るといいね!」

と、クリクリさん。

「けっ。つか何で裸足だったんだよ」

理由はわからないが、少々キレ気味のパツキンさん。

私はなんだか、久々に人の温もりを感じた気がした。
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