愛を教えて
「そか、勝手にしとけ。」
「今までありがとうね、憐」
「なんかあったら連絡しろ。なんかなくても連絡しろ。毎日だ、それが条件な。」
憐は私が悲しませないようにとまた気にかけてくれて言っているのだろう。
そういうところは変わらない。
「憐、本当にありがとう。」
「ああ、また家に邪魔するからな。お袋と親父には言っておく。」
「わかった」
微笑んで了解し、解散となった。
明日には母を土に埋めないといけない…。
これからは1人で自分の人生を歩むんだ。
いい歳にもなってるんだ、これからは自立をしよう。
そう決めて眠りに入った。
翌日母の写真を持って、母がいる棺を何人か持っているのを見て沈んだ気持ちのまま外に出た。
頭に思い浮かぶのは母の事ばかり。
仕事ばかりの私を見て、自分のことより私を心配をしていた。
母はとても優しい。
一言も自分の病を言うことも、なかった。