クールな外科医のイジワルな溺愛
「……市立光星高校です」
「えっ」
看護師さんはびっくりしたような顔をした。
「ちょっと先生に電話をかけてきます。すぐ戻ってきますね。そのままお待ちください」
そう言ってそそくさと病室を後にしてしまった。どうしてあんなにビックリしたんだろう? 高校がどこかわかりますかって言うから、出身高校を答えただけなんだけど。
あっ、もしかして“高校”じゃなくて、“ここがどこか”を聞きたかったの?
「あのう~」
呼んでも返事はない。ドアの向こうまでは聞こえないみたい。うーん、しくじった。私の頭が正常かどうかも大事だけど、どうして私がここにいるのか知りたかったのに。
でもまあ、何度もナースコールを押すのもなんだしなあ。夜の病棟はどこも最低限の人数で回してるって言うし。
おとなしくそのままベッドの上で待っていると、十分ほどしてから個室の引き戸がノックされた。
「芹沢さん、こんばんは」
そう挨拶して入ってきたのは、白衣のお医者さん。その姿を見て、息が止まりそうになった。