クールな外科医のイジワルな溺愛

左目の上で分けられたれた長めの前髪に、ゆるいウエーブがかかった黒い髪。横髪や後ろ髪は清潔そうに短く切られている。

深い目頭に綺麗な二重ライン。眉はナチュラルだけどボサボサしていなくて直線的。高い鼻に、厚めの唇。白衣の下に着た青いスクラブのVネックからほんの少し鎖骨がのぞいている。

この人、会ったことがある。心臓がドクドクと強く鼓動を打つ。

「ここはどこだかわかりますか?」

看護師さんと同じ質問をされる。この声、聞き覚えがある。さっき手術室で……いや、とにかく質問に答えなきゃ。また意識障害起こしてると思われちゃう。

「国立国府大学医学部付属病院」

「おや、ハッキリわかっていますね」

「少し前まで、父が入院していましたから」

そう答えると、彼は『ああ、そうでしたか』と納得したようにうなずいた。

先生……やっぱり私を覚えてはいないみたい。

「名前と生年月日は」

「芹沢花穂。平成4年7月3日」

「今日の日付は?」

「平成29年10月8日」

「大丈夫ですね」

先生は冷静な顔で、立ったまま私を見下ろす。


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