クールな外科医のイジワルな溺愛


「じゃあ、また。ゆっくり休んでください。そのうち痛くなってくるだろうけど」

脅しのようなセリフを残し、黒崎先生は部屋の外に出ていく。ひらりと翻した白衣が戸に挟まれそうになってすり抜けていった。

「なんなのよ……」

お父さんの癌を手術してくれた時は、本当に親切だったのに。お父さんも先生をすごく信頼していた。

そもそも、癌を切る外科のお医者さんが何で膝の骨折みたいな整形外科の手術をしたのか。謎だわ。そして、なんかすごくムカつく。

父のことは覚えていたみたいだけど、私のことは覚えていなかったみたい。私は、ずっと覚えていたのに……。

色々考えていたら、足が痛くなってきた。

「うぎぎぎぎ~!」

麻酔が切れたみたい。膝の中も、手術の時切って縫った傷と思われる外側も、めちゃくちゃ痛い。引き攣れるなんてとんでもない。巨人に膝を雑巾しぼりされているような、感じたことのない痛みが襲う。

「看護師さん、看護師さん~!」

助けを求めてナースコールを鳴らす。


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